
みちのく銀行では支店や本部の行員が集まって地元企業の利益改善に向けた議論をしている=青森市【拡大】
各支店で週1回開く営業戦略会議は、参加者を本部や近隣の支店にも拡大した。若手行員にとってはベテランの営業ノウハウやさまざまな業種の事例を吸収する好機でもある。
この結果、同行の貸出金利息収入は2012年3月期の248億円から、16年3月は213億円まで減少。一方、手数料収入は14億円から31億円に倍増。今期も勢いは衰えていない。
「事業計画や販路、商品構成など、企業は生き物のように姿を変える。取引先と“共通言語”で話せるようになってこそ、地銀の営業だ」。同行で法人営業戦略の中核を担うKeyMan推進部の斉藤直人部長は胸を張る。日銀によると、昨年12月時点の全国の銀行の新規貸出約定平均金利は0.7%で、この5年間で4割近く縮小した。マイナス金利導入後は0.6%台にまで沈む月もあり、強い金利低下圧力がかかっている。
手数料獲得でヒット
金利低下に苦しんでいるのは地銀だけではない。「金利競争は深追いしない」と明かすのは、あおぞら銀行の青山裕ビジネスバンキング本部長だ。同行は昨年7月、法人営業関連部署にまたがる形で、企業再生や会計・財務、M&A(企業の合併・買収)などの各分野に精通した専門家を配置。他行とは違った営業提案によって「融資や手数料獲得のヒット率を上げる」(青山氏)作戦だ。
農林中金総合研究所の古江晋也氏は「企業の成長段階に応じた戦略や地域の産業の特色に合わせた融資の実行ができる地銀となることが一層求められている」と指摘する。マイナス金利開始の衝撃から1年がたち、地銀側も目利き力の発揮に本気を出してきた。
日銀がマイナス金利政策を導入して16日で1年。「劇薬」とも言われるマイナス金利を検証する。