特許庁所管の独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT、東京都千代田区、三木俊克理事長)は、中小企業向けのグローバル知財マネジメント研修ツールを近く完成させる。企業から実際の事例をヒアリングして学習ポイントを抽出。発明推進協会、みずほ総合研究所などの協力で2年前から開発してきた。今春にも一般に提供を始める予定で、準備を進めている。
研修ツールは「ケーススタディー集」「研修テキスト」「企業事例集」「チェックリスト」「考察用紙」「ブックレット」「ティーチングノート」などで構成、「米国のARCS(学習動機付け)モデルに基づき開発」(関係者)された。ケーススタディー集で“関係があるかも”と学習者の注意を喚起し、研修テキストで体系的理解をした後、企業事例集で事例を再確認させ、自信を持たせる。チェックリストや考察用紙を使い自社の課題についての検討へと進み、能力向上を図る。
先ごろ、都内で開催した「グローバル知財戦略フォーラム2017」(主催・特許庁、INPIT)で研修ツールの発表を兼ねた「アクティブラーニング知財経営セミナー」を実施。ケーススタディー集にある共同開発の失敗や摸倣品会社への対処といったテーマについて、龍神嘉彦弁理士・米国弁護士を進行役に中小企業の経営者や知財支援関係者ら約50人が10グループに分かれ、約3時間、グループ討議・発表形式の学習会を行った。