
グランフロント大阪で開かれた「取締役・執行役員研修」の様子=2日、大阪市北区【拡大】
同社は、社外取締役の独立性要件を定めている。例えば、5%以上の議決権を保有する株主や取引先の連結売上高の2%以上となる取引関係者、同社グループから過去3年の平均で1000万円以上の報酬を得ている弁護士やコンサルタントには独立性を認めない、といったように具体的な基準が特徴だ。さらに、指名委員会は取締役の選解任議案の決定に加え、「サクセッション・プラン」を通じてグループ銀行役員の選抜や育成にも関与する透明性のある仕組みも確保している。
この「サクセッション・プラン」は07年6月に導入したという。持続的な企業価値向上を図るための、経営トップの役割と責任を継承するメカニズムで、「次世代トップ候補者」から「新任役員候補者」までを対象にしている。外部コンサルタントからさまざまな助言を得ることで客観性を確保するとともに、評価内容はすべて指名委員会に報告される仕組みになっているという。
コーポレートガバナンスという仕組みの本来の役割は、経営者に対して業績向上へのプレッシャーをかけるとともに、その経営者に引き続き経営を任せていくべきか否かを判断するという点にある。しかし、日本企業では能力要素などよりも序列が優先されるケースが多い上、取締役会も社員や元社員で占められている場合がほとんどだった。これだと、経営者に対して業績向上が強く促されないばかりか、今後経営を任せるべきではないという判断もされ難い。