
2017年シーズンの開幕を迎え、横浜Mサポーターで埋まる日産スタジアム=2月25日、横浜市港北区【拡大】
「守りの姿勢が閉塞感を生んでいる」。先の関係者は刺激策を模索していた。そこに現れたのが、小覧でも紹介した英国の動画配信大手、パフォーム・グループである。昨年オフ、10年間で総額2100億円に及ぶ巨額の放映権契約。それがJリーグに“革命”をもたらした。
理念強化配分金に加え、増えた収入からJ1全クラブには3億5000万円の分配金が支給される。J2に甘んじていては大金は手にできない。J1とあえて格差をつけ、ぬるま湯体質を打破したい狙いがのぞく。
◆新スタジアム続々
ニンジンを求めた覇権争いは数々の好試合を生みだす要因となろう。尻込みしていた観客層を刺激し、動員増の可能性がある。注目が集まれば新たなスポンサー獲得も考えられよう。
それはまた、放映権を持つパフォーム・グループにとっても望むところであり、視聴数が高くなれば、彼らは広告収入などで潤う。そしてJリーグは、先の話ではあるが、さらなる契約更新への期待が膨らんでいく。
すべてがうまくいくとは限らない。しかし、Jリーグはいま時を得ている。相次ぐスタジアムの新設もその一つだ。
15年にJ3長野の本拠地、南長野運動公園総合球技場が大改修でJ1仕様に変貌、16年にはJ1のG大阪が本拠を置く4万人収容の市立吹田サッカースタジアムが稼働した。このほど、J1規格のミクニワールドスタジアム北九州が完成。今月からJ3北九州が使う。
少ない地方スタジアムの収容人員は、Jリーグの発展を拒む要素と言われてきた。地方自治体との関係を深めながら、少しずつ姿を変えつつある。
スタジアム問題は別に書くつもりだが、ここにもビジネスチャンスが広がる。25年目のJリーグは楽しみである。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)