
内閣府を訪問した三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長=6日午後【拡大】
「リストラをめぐり、社内で意見対立があった」(三越伊勢丹HD関係者)との指摘もある。大西社長は三越千葉店(千葉市)や三越多摩センター店(東京都多摩市)を3月に閉店するだけでなく、松山三越(松山市)、広島三越(広島市)の売り場縮小などを検討すると表明。管理職のポストの1~2割の削減、人員削減も検討していた。
売り場縮小の検討は伊勢丹の松戸店(千葉県松戸市)と府中店(東京都府中市)も含まれるが、旧三越出身者からは「三越ばかりがリストラされる」との不満の声も聞かれるという。
20年に統合した三越伊勢丹HDは、かねて老舗ゆえに経営統合がうまくいっていないとの見方が業界内で強かった。給与や人事面などの待遇でも旧伊勢丹が優遇され、不協和音があったとされる。
昨夏に賞与格差は解消されたが、リストラが火種となって旧三越と旧伊勢丹出身者の確執が深まり、大西社長の退任につながったとの見方もあり、三越伊勢丹HDの株価は6日、前週末比5・1%安と、大きく値を下げた。