
ヤマト運輸はコストに見合った値上げが不可欠と判断し、配送運賃を全面的に値上げする検討に入った=東京都中央区(伴龍二撮影)【拡大】
荷物が集中した昨年10~12月も外部委託費などがかさみ、ヤマトホールディングスの営業利益は前年同期比で約69億円の減益に沈んだ。現在調査中の未払い賃金も業績をさらに悪化させる懸念がある。
無料のハードル高く
今後の焦点は最終的な値上げ幅とネット通販事業者側の対応に移る。
ヤマト側は大口事業者に対し、配送運賃を値上げするほか複数商品をまとめて送るなど、発送方法の抜本的な見直しも求めていく考え。事業者ごとの再配達データも示しながら交渉を進めるとしており、SMBC日興証券の金森都シニアアナリストは「送料無料になる購入金額を引き上げる事業者も出てくる」と分析する。
アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は「送料無料は大事なサービス」などとしており、今のところ手厚い配送サービスを維持する姿勢だ。だが、その場合、運賃の値上げ分が商品の本体価格に転嫁される可能性もある。
手頃な価格と利便性を武器に物販消費の5%近くまでシェアを拡大するネット通販だが、ビジネスモデルを支えてきた配送インフラの疲弊が、成長の足かせとなっている。(佐久間修志)