一方、他の大手自動車メーカーの労使協議では、日産自動車やホンダの経営側がベアに対して一定の理解を示している。ただ、いずれも足元の業績鈍化に加えて、トランプ米大統領の通商政策や英国の欧州連合(EU)離脱など経営環境の不透明さに対する懸念などから、3000円要求は「高過ぎる」と主張。それぞれ妥結額は昨年(日産で3000円、ホンダは1100円)を下回る可能性が高い。
自動車大手の経営側が今春闘でも最大焦点のベアについて、理解を示したのは「社会性」を踏まえたことが大きい。安倍晋三首相は昨年11月、今春闘を前に経済界に「少なくとも16年並みの水準の賃上げを期待したい」とし、4年連続のベアを要請。自動車業界の大手には、産業規模50兆円を超える基幹産業として、ベアで日本経済に貢献する重要性の認識が前提として強くあった。トヨタの豊田社長も8日の協議で「日本全体が元気になるか、に思いを巡らしている」と述べ、賃上げで経済底上げに貢献する考えを示した。