■安全かつ急速に充電、長寿命化図る
米テキサス大学は2月28日(現地時間)、従来のバッテリーよりも高性能な新固体電池を開発したと発表した。
これはリチウムイオンバッテリーの共同開発者である、ジョン・グッドイナフ教授率いる研究チームが開発したもので、従来のバッテリーと比較して、より安全かつ高速に充電可能で、長寿命なバッテリーの実現につながるものであるとしている。
主要技術は同大オースティン校コックレル工学部のシニアリサーチフェロー、マリア・ヘレナ・ブラガ氏によって開発されたもので、論文は「Energy & Environmental Science」誌に掲載された。
研究チームによると、新固体バッテリーセルは、現在のリチウムイオンバッテリー比で少なくとも3倍のエネルギー密度を有することを実証しており、充電レートも数時間単位から数分単位へと高速化が可能になるとしている。従来のリチウムイオンバッテリーは、有機溶媒などの液体電解質と正極負極に黒鉛やコバルトなどを用いている。今回開発された固体バッテリーでは、アルカリ金属アノード(リチウム、ナトリウム、カリウム)を使用し、カソードのエネルギー密度向上、長期間のサイクル寿命を実現。実験では、低セル抵抗で1200サイクル以上を達成した。