
記者会見を行う三越伊勢丹HD次期社長の杉江俊彦取締役専務執行役員=13日、東京都中央区【拡大】
そもそも三越伊勢丹HDがリストラを迫られているのは、百貨店事業に過度に依存した経営体質だからだ。同社の連結売上高に占める百貨店事業の構成比率は2016年3月期で92.2%。ライバルのJ.フロントリテイリングの65.5%(16年2月期)などと比べ高く、その分、訪日外国人による“爆買い”鈍化の影響をもろに受けた。
J.フロントは衣料品店「ユニクロ」など専門店を大胆に誘致し、高島屋も不動産事業に力を入れる。これに対し、三越伊勢丹HDは自前の売り場づくりにこだわるあまり、“脱百貨店依存”から取り残された。杉江氏は不動産事業やインターネット通販の強化を打ち出したが、遅きに失した感は否めない。
経営戦略本部長として大西氏を補佐してきた杉江氏は、構造改革の方針について「これまでと方向性は変わらない」と説明した。だが、一連の人事をめぐる混乱で構造改革案の策定は、当初計画の3月末から5月に遅れた。改革実行も遅れるのであれば、三越伊勢丹HDが失うものはあまりにも大きい。(大柳聡庸)