日産自動車は14日、2017年春闘で、賃金水準を引き上げるベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分を月額1500円とする方針を固めた。ベア実施は4年連続だが、水準は、満額回答だった昨年(3000円)の半分になる。トランプ米大統領の通商政策や英国の欧州連合(EU)離脱など世界経済の先行きに不透明感が強まっていることを踏まえ、2年連続の満額回答は難しいと判断した。
労働組合はベア月額3000円を要求していた。日産は、昨年の春闘で、労組の要求通り、ベア3000円を実施し、15年も6000円の要求に対し5000円回答と大手製造業では最高水準だった。ただ、17年3月期は昨年までの円高が響いて減収減益予想のうえ、トランプ政権の政策が経営に与える影響が見通しにくい状況にあるため、今春闘はベア要求に半額で回答する。
大手製造業は15日に集中回答日を迎えるが、すでに自動車大手では春闘相場の形成に影響力の大きいトヨタ自動車のベアが月額1300円と前年を200円下回ることで事実上、決着。電機大手も前年を500円下回る月額1000円で決着する方向で、ベアの前年割れも目立つ。安倍晋三政権が民間企業に賃上げを促す「官製春闘」は今春闘で4年目となるが、経営側が先行きへの懸念を強め、息切れ感が鮮明になっている。