
メヴィーで注文できる金属加工部品。商品の試作や量産に欠かせない【拡大】
手書きを強いられていた昔と違い、最近は設計ソフトが普及し、3次元の図面を容易に描けるようになりつつある。吉田さんは「設計ソフトの普及を見て今しかないと思った」と、開発に着手した3~4年前を振り返る。
吉田さんは当時、赴任先の中国から金型企業体事業開発室に異動したばかりだった。中国でともに働いた中川賢治さんと芝田篤史さんも同じ部署に配属され、3人を中心に開発体勢が組まれた。
◆対象範囲拡大も検討
3人は中国にいたとき、複雑な形状の部品を扱うネットサービスを検討したことがあった。しかし、既存サービスのようにカタログから選ぶ方式にこだわった結果、商品点数が膨大な数にのぼり、失敗に終わった。「リベンジとなる今回は従来の発想から抜け出そう」。3人はそう言い合った。
ただ、基本構想は早いうちにできたが、過去にないサービスだけに手本がない。3次元データを扱うため、既存サービスとは技術的な仕組みも異なる。そこで、構想段階からIT企業に協力を呼びかけることにした。
「あの企業は技術を持っている」との噂を聞きつけては、世界各地に足を運んだ。そしてようやく探し当てた複数の協力先と連携しつつ、何度もサービスのひな型を作ってはやり直し、少しずつ形にしていった。現在は金型の関連部品を中心に扱っているが、対象範囲の拡大も検討していくという。
3人には、メヴィーに込めたある思いがある。
日本のモノづくり力の低下が指摘されるようになって久しい。円高で工場の海外移転が相次ぎ、就労人口の減少にも直面している。「これまでは熟練者が支えてきたが、先細りしていくのは明らか。ICT(情報通信技術)を使った新しい仕掛けが必要だ」。
吉田さんたちのモノづくり大国復権への挑戦は始まったばかりだ。(井田通人)
◇