
清水敦史社長【拡大】
--なぜ風力発電機を開発しようと思ったのか
「2011年3月の東日本大震災がきっかけだ。福島第1原子力発電所事故により計画停電が行われるなど電力危機となった。そのとき、われわれの世代が再生可能エネルギーへの転換の道筋を作るべきだと考えた。垂直軸型マグナス風力発電機の特許が取得できたのを機に、勤めていた会社を辞めることを決心した。起業支援を手掛けるリバネス(東京都新宿区)のビジネスプランコンテストで優勝したのを機に、チャレナジーを立ち上げた」
--開発にあたって苦労した点は
「プロペラを使わない風力発電機は前例が少ないだけに全てが手探りの状態。沖縄での実験では結露や塩害によるトラブルもあった。電気部品が結露でショートする恐れがあるため、シャンプーハットのようなカバーを部品に取り付けたりした。部品加工にあたっては、金属加工の浜野製作所(東京都墨田区)の協力も得られた。発電効率を上げることも課題だ」
◆20年までには販売
--今後の戦略は
「島嶼(とうしょ)部での独立電源としての使用を想定して開発を進めているが、出力1キロワット機では販路が限られる。そこで10キロワット機の開発に取り組む。円筒柱の高さは約10メートルで1キロワット機の3倍の大きさになる。量産試作に入り、20年までには販売できるようにしたい」