
鶴間洋平弁護士【拡大】
石油元売り大手、出光興産の創業家が昭和シェル石油との合併撤回を求めている問題で、創業家の代理人を務める鶴間洋平弁護士が19日、フジサンケイビジネスアイの取材に応じ、今回の事態を招いたのは「経営陣が(創業家との)意思疎通を欠いたことが原因」との考えを示した。また経営陣が合併撤回に応じることが前提とした上で、創業家が取締役会に入ることは「ひとつの考え方として有り得る」と言及した。
鶴間氏によると、創業家は経営陣の合併に関する説明が不十分だったと主張。拒否権を持つ大株主の意向を確認しないままに合併を進めようとした結果、現状に至っていると強調した。
創業家側は、昭和シェルとの社風の違いやサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」から出資を受けることになることなどを合併反対の理由に挙げていたが、経営陣との信頼関係の“こじれ”も一因となったことが浮き彫りとなった。
鶴間氏は、創業家が出光の取締役会に入る可能性について「合併の条件交渉のために入ることは考えられない」と否定。一方で、合併が撤回された場合は「創業家と経営陣の意思疎通の仕組みを検討する必要がある。その観点からひとつの考え方として有り得る」とした。