それほどひどい案件だったのに、コロワイドはレインズインターナショナルの「牛角」チェーンとのバランスで、回転寿司チェーンのかっぱ寿司を欲しがった。蔵人会長は「コロワイドの総合力を活用すれば、かっぱ寿司は1~2年で立て直しできる」と踏んでいた。これまでM&A戦略を10数回成功させてきたという自信が、「おごり」と「過信」を生んでいたようだ。コロワイドは14年10月、銀行から借り入れた300億円を投じ、社運をかけてかっぱ寿司を買収したのだ。
回転寿司業界は「はま寿司」(ゼンショーホールディングス)、「スシロー」「くら寿司」の3強が角逐する修羅場だ。かつて業界トップだったこともあるかっぱ寿司だが、経営不振に陥る中、合理化ばかり進め原材料費を削ったため「安かろう、まずかろう」のイメージを定着させてしまった。
コロワイドはかっぱ寿司再建のシナリオとして15年に既存の郊外型店舗とは全くコンセプトの異なる、回らない都市型新型店の第1号店「鮨ノ場」青山オーバルビル店(30席、120円~420円)を開業。表参道、浅草など都心部に出店した。タッチパネルで注文を受けてから職人が握り、2段の高速レーンを使って提供するシステムだ。
かっぱ寿司再生のけん引車となると見られたが、逆に足を引っ張ることになった。寿司が出て来るまでに時間がかかり過ぎて、評判が悪かったからだ。
コロワイドにとって正念場
かっぱ寿司再生の切り札として、16年6月に社長に抜てきされた四方田氏は「安かろう、まずかろう」といった悪いイメージの払拭(ふっしょく)にとりかかった。しかし、うまくはいかなかった。