
廊下に作った小屋を「第2の保育所のように使ってほしい」と話す板橋茂課長=東京都江東区の「ナーサリールームベリーベアー深川冬木」【拡大】
■“地域共生と木育”で感性豊かに
江戸最大の八幡様で、「深川の八幡様」として人気が高い富岡八幡宮(東京都江東区)の近隣に、ネス・コーポレーション(同渋谷区)が運営する日本最大の保育園「ナーサリールーム ベリーベアー深川冬木」が誕生した。敷地面積は1400坪(4620平方メートル)を超え、屋内外ともに子供たちが生き生きと過ごせる空間を実現した。設計施工に携わったのは積水ハウス。キッズデザイン賞の創設以来、10年連続して受賞するという実績を誇り、この取り組みを通じて培ったノウハウを随所に反映させた。
◆住民との交流促す
敷地はもともと、鳥や虫が生息する遊歩道のある緑地帯。その中には数本の大きなケヤキがあり、「土地の記憶」として伐採せずに残すことを決めた。また、この巨大な木々から多くの語りかけがあると考え、ケヤキを囲む園舎とした。
同社はこれまでに数多くの保育園、幼稚園の設計施工を手掛けている。その際に重視するのが「地域が子供を育てる」(板橋茂・設計部東京設計室課長)という考え方だ。そのためには地域住民との交流が進むような計画が必要となり、過去に受賞したデザインのコンセプトを随所に取り入れた。
例えば第10回キッズデザイン賞の「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」で受賞した江戸亀戸サテライトグローバルキッズ竪川園(同江東区)の場合、周辺に住む高齢者を配慮。近隣と交流を図れる座り石を設置することなどで、心理的・身体的バリアーを取り除けるようにしている。
こうした設計手法を今回のプロジェクトにも反映させた。具体的には、歩道との境界はフェンスによる明確なエリア分けではなく、植栽による緩やかな仕切りとし、園が地域へ溶け込むように配慮した。