
廊下に作った小屋を「第2の保育所のように使ってほしい」と話す板橋茂課長=東京都江東区の「ナーサリールームベリーベアー深川冬木」【拡大】
◆ユニークさ随所に
園舎全体も森の中を連想させるようなインテリアデザインを施し、さまざまな種類、表情の木を随所に取り入れた。壁などには福井県の杉の間伐材など国産材をふんだんに活用している。「子供の感性は幅広い。質感に優れた場所で時を過ごすことによって、それをさらに広げていきたい」(板橋課長)という願いが込められている。
素材やデザインだけでなく、ユニークな空間も随所に取り入れている。例えば玄関ホールに隣接した階段ホール。舞台のような大階段を設置しており、木登りをするように階段を上る構造だ。踊り場はツリーハウスを想起させ、園児が集まったり、本を読んだりする特別な居場所として機能している。
2階の北廊下は、移動のためだけに利用する空間ではなく、「子供の暮らしや遊びを豊かにする“第2の保育所”のように、使ってほしい」(板橋課長)という考えに基づき、小さな小屋を設置した。国産杉の無垢(むく)の柱や厚みのある板材で作られており、ままごとをしたり絵本を読んだりと、思い思いの時間を過ごすことができ、この場所を起点とした子供同士の交流も活発だ。
各部屋の照明は午前中が蛍光灯の白い光、昼寝の後は電球のオレンジ色といったように、時間や活動に合わせて光環境をコントロールできる。生体リズムは光との関係で成立している部分が多い点を訴求し、「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門」で受賞したプロジェクトを反映させた。
「子供の感性に何かを訴えていくこと」が、板橋課長のキッズデザインに対する考え方。地域との共生と木育という2本柱が、その考え方を支えているようだ。(キッズデザイン取材班)