
咲美堂漢方薬房に並ぶさまざまな種類の漢方薬=11日、神戸市中央区【拡大】
そんな経験をSNS(会員制交流サイト)で発信すると、同じ病気を患う女性たちから、漢方や薬膳を知りたいと相談が寄せられた。「痛みのわかる人間として、経験を伝えたい」と起業を決意。中国政府直轄組織が認定する国際薬膳調理師の資格を取得し、薬膳セミナーを開始した。さらに漢方のアドバイスもできるように、漢方の登録販売者資格を取得して「咲美堂」をオープンした。
◆資格者延べ700人
スクールには持病や健康問題に悩む30~50代の女性が多く訪れる。池田さんの講義は、「体質や体調の見極め方」と、「食材やお茶など、生活に応用できる薬膳の考え方」が中心だ。受講生の資格取得者は延べ700人以上。調理師や看護師など本業を持ちつつ、漢方や薬膳を取り入れて価値向上を目指す受講生もいるという。
最近は、従業員の健康に配慮して医療費増加や休職などのリスクを回避する「健康経営」が注目され、企業からの講演依頼も増えた。
「受講生たちの活躍の場を広げることが夢」。池田さんは大きな笑顔を咲かせた。