出光・昭シェル、提携強化を先行 実績示し創業家への説得材料に

両社の幹部を集めた決起集会で提携強化について説明する昭和シェル石油の亀岡剛社長(左)と出光興産の月岡隆社長=9日、東京都千代田区
両社の幹部を集めた決起集会で提携強化について説明する昭和シェル石油の亀岡剛社長(左)と出光興産の月岡隆社長=9日、東京都千代田区【拡大】

 出光興産と昭和シェル石油は9日、原油調達や物流分野などで提携関係を強化することで合意したと発表した。コスト削減などにより3年以内に年間250億円以上の収益の押し上げ効果を生み出すことを目指す。両社の合併協議が出光創業家による反対で膠着(こうちゃく)している中、業務の提携強化を先行して実績を出し、創業家を説得する材料にしたい狙いもある。

 両社は原油タンカーの共同配船や出荷基地の相互利用などで調達コストや物流コストを削減するほか、生産計画の一体化や石油製品の相互融通を進めて経営の効率化を促進する。

 一方で創業家との協議を続け、早期の合併を目指す方針は堅持する。

 石油元売り業界をめぐっては、4月にJXホールディングス(HD)と東燃ゼネラル石油が経営統合してJXTGHDが誕生。出光と昭和シェルは石油需要が年々減少する中、提携関係を強化することで事業環境の変化に対応したい考えだ。

 出光の月岡隆社長は9日、両社の経営幹部を集めた決起集会で「今回の関係強化は合併に向けたステップになる」と強調。昭和シェルの亀岡剛社長も「お互い長い歴史を持ち、文化も発想も違う。だから新たなものが生まれる」と力を込めた。