
東芝の半導体工場=三重県四日市市【拡大】
東芝メモリの売却先候補をめぐり、官民ファンドの産業革新機構などに、米ファンドのベインキャピタルと韓国半導体大手SKハイニックスの「米韓連合」が加わる「日米韓連合」が浮上した。ただ、革新機構などと米ウエスタンデジタル(WD)が合流する選択肢も残る。米半導体大手ブロードコムも好条件を示しており、売却先選定は予断を許さない状況が続く。(万福博之)
東芝が15日に開いた経営会議で、優先交渉権を与える候補を決める可能性もあったが、東芝とWDの対立や候補同士の合従連衡も重なり、来週にかけて売却先を絞り込む方向になった。
革新機構は日本政策投資銀行とともに当初、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と連携を探ったが、投資回収の条件などが折り合わず、ベインを優先することにした。新たな連合は東芝を含む複数の日本企業、銀行も参加する構想。KKRが残る可能性もあり、参加社はまだ流動的だ。買収額は2兆円強を想定する。
革新機構やKKRは東芝の提携先のWDと合流する枠組みを検討してきたが、売却に反対するWDと東芝の対立が解消できず、陣容づくりが遅れた。