
東芝は半導体子会社の売却先として日米韓連合と優先的に交渉を進めることを決めた=21日午後、東京都港区(福島範和撮影)【拡大】
もし東芝メモリがライバル企業の手に渡れば、WDは大打撃を受けることになる。サンディスクとWDと東芝の間では、合弁会社の株を相手の同意なく第三者に売却することを禁じることが契約に盛り込まれており、「合弁事業契約の譲渡禁止条項に明らかに違反している」として5月14日(日本時間15日)、売却差し止めを求めて仏パリにある国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所に仲裁申立書を提出した。
東芝は6月3日、四日市工場の株を東芝本体に移管しWD側の主張を無効にするという戦略に出た。「四日市工場の43万6200平方メートルの敷地や従業員は東芝メモリに残り、移動するのは東芝側の出資持ち分50.1%だけ。大きな影響はない」(東芝広報・IR部)というが、四日市工場は半導体メモリー事業の中核であるフラッシュメモリーを全て造っている。従業員も東芝メモリの約9000人中6200人が四日市工場の従業員、東芝メモリの中核事業だ。四日市工場の経営権を握れなければ東芝メモリを買収する意味はない。
東芝は入札参加者たちには「四日市工場は入札が終了し、WDの問題が解決した段階で東芝メモリに戻すことになる」(同)と説明し、納得してもらっているという。しかしWD側は訴訟で決着をつけると、さらに態度を硬化させ、15日には米カリフォルニア州上級裁判所に仲裁判断が出るまでの売却差し止めの仮処分手続きを開始。裁判所は7月中旬には判断を下すのではないかとみられている。