
東芝は半導体子会社の売却先として日米韓連合と優先的に交渉を進めることを決めた=21日午後、東京都港区(福島範和撮影)【拡大】
東芝は年内に売却を決めることができなければ2年続けて債務超過になる可能性があり、今後の再建計画に支障を来す恐れがある。これが買収交渉にも影響を与え、買収価格は最終的にはかなり安くなる可能性もある。
日本の技術流出を防ぎ、東芝を日本主導で再建したい経済産業省、四日市工場を手中に収めたいWD、東芝メモリのディールでキャピタルゲインを狙うベイン、技術が欲しいSK、東芝は同床異夢の4社の利害を調整し、今年度中に売却を実現できるのか。「四面楚歌(そか)」の状態に立たされている。
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【プロフィル】松崎隆司
まつざき・たかし 経済ジャーナリスト。中大法卒。経済専門誌の記者、編集長などを経てフリーに。著書は「堤清二と昭和の大物」「どん底から這い上がった起業家列伝」など多数。54歳。埼玉県出身。