経営再建中の東芝は半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、優先交渉先となった産業革新機構を中心とする「日米韓連合」との最終合意が先送りになった。各国の独占禁止法審査を勘案し6月中をめどとしたが、調整作業が遅れて間に合わなかった。売却をめぐり対立する提携先の米ウエスタン・デジタル(WD)の訴訟も影響したとみられ、東芝の財務改善計画は依然不透明なままだ。
革新機構は30日、定時株主総会と取締役会を開催し、志賀俊之氏の会長続投を決めた。志賀氏は30日、記者団の取材に応じ、契約について、「関係者との調整などで遅れている。何かネガティブな話があったというわけではない」と述べた。東芝は6月21日に日米韓連合を優先交渉先に選び、同28日の株主総会前の契約を目指していた。
志賀会長は今後の契約のめどには言及しなかったが、日米韓連合関係者は「来週という話もあるし、WDが売却中止を求めて米裁判所に起こした訴訟の審問が行われる7月14日まで待とうという意見もある」と話す。
売却契約にはWDの問題が影を落としている。米裁判所の裁定次第で売却が差し止めになる恐れがあるからだ。6月28日には東芝が損害賠償などを求めてWDに対して提訴し、対立は泥沼化している。