
コマツが鉱山向けに開発した無人ダンプ。自動車に先駆けて2008年から納めている【拡大】
基本的な仕組みは自動車や農機と同じだ。GPSやセンサーにより、数センチ単位で車両の位置を把握。離れた場所にある管制室で集中管理する。昨年9月には運転室がなく、積み込む際にUターンせずに方向転換できるタイプも試作、19年にも商品化する計画だ。
無人ダンプの投入では、ライバルの米キャタピラーも12年に追随したほか、日立建機は19年の実用化を目指している。
無人ダンプの普及を後押しするのは、ここ数年続く資源安だ。豪英BHPビリトンなどの資源メジャーは経営環境が悪化するなか、人件費をギリギリまで削るなどして収益改善に追われている。鉱山労働者は世界的に不足しているため賃金は高く、都市部から離れた場所に位置していることも手伝い、豪州では1500万円程度を稼ぐケースもあるとされる。無人ダンプの価格が下がり、普及が進めば、かなりの費用削減が見込める。
BHPビリトンは、鉄鉱石や石炭を無人で運ぶ「自律航行貨物船」の導入も検討している。
船舶の場合、海上通信を確保する必要があるほか、シージャックの標的になりやすいといった声もあり、課題は少なくない。それでも三井造船や商船三井、東京海洋大学が5月に官民挙げて自律航行船の研究に乗り出すと発表するなど、実現の機運は少しずつ高まっている。
世界的な船余りで海運会社の経営はどこも苦しい。他社との提携を含めた経営体質の強化は焦眉の急で、日本郵船と商船三井、川崎汽船の国内海運大手3社がコンテナ船事業を統合し、7日に新会社を立ち上げたのもその一例だ。「必要は発明の母」の格言が真実ならば、実現は意外と早いかもしれない。(産経新聞社 経済本部 井田通人)