居酒屋のように何杯も飲まなくていい。「1000円でいい気分」が、HUBの目指す日本の風土に合った英国風パブのスタイルだ。
もともと「PUB」は「Public House」を略した語で、公共の家という意味。英国の国内に数万件あるとされるパブの文化を日本に広めるのが同社の使命だという。仕事が終わり、家に帰るまでのひとときを、行き付けのパブに立ち寄って過ごし、1日の疲れを癒す。家に帰って食事を取った後にまた、近くのパブに出掛けていく。家でも仕事場でもない「サードプレイス」としてパブは受け入れられてきた。
カウンターでドリンクとおつまみを注文し、気の合った仲間とコミュニケーションを楽しむ。何度も足を運ぶうちに、年齢も職業も性別も違う常連の人々がいつの間にか顔見知りになり、親しく交流するコミュニティーが形成されていく。
最近は「HUBには幸せになれる出会いがある」といううわさが都市伝説のように広まっている。太田社長によれば「実際にHUBで親しくなって、結婚したという話も複数の店舗で聞いています」という。
ダイエーの創業者が仕掛けた「HUB」
ハブの創業者は、ダイエーの創業者でもある中内功氏だ。1980年に、英国のパブを体験したことをきっかけに「HUB」を開業した。1号店の神戸三宮店は外国人が集まり、立ち飲みでカッコよく飲む様子が評判になった。