日本たばこ産業(JT)は4日、インドネシア6位のたばこ会社と関連卸売企業を買収すると発表した。買収総額は約10億ドル(約1100億円)。インドネシアは世界2位のたばこ市場で人口も増加しており、成長が見込めると判断した。健康意識の高まりなどの影響で先進国では、たばこへの逆風が強まる中、JTは新興国への投資を重視。同社として東南アジアでは最大規模の買収となる。
買収するのは、現地たばこ会社「カリヤディビア マハディカ」と、同社製品の流通を担う卸売企業「スーリヤ ムスティカ ヌサンタラ」。今年12月末までに両社の発行済み株式を全て取得し、完全子会社にする。
カリヤディビア社は吸い口が甘いインドネシア主流のクレテックたばこを主に製造している。年間売上高は約560億円で、市場シェアは2.2%。
島嶼(とうしょ)国のインドネシアでは流通網を自前で築くのは難しい。JTは現地企業を傘下に加えることで、現在0.1%にとどまるシェアを引き上げたい考えだ。