
「銀行員時代の経験は今もすごく生きている」と語るポルシェジャパンの七五三木敏幸さん=東京都港区(飯田英男撮影)【拡大】
--従来は「需要より1台少なく」の方針で販売し、高級スポーツ車のイメージを保ってきました
「年1000台程度しか販売していない時代は、市場に飢餓感を与えることも重要でした。しかし、SNS(交流サイト)の普及などで商談内容や販売員の情報さえもあふれている中で、飢餓感を与えるのは意味がありません。従来の成功から脱却できないことは最も危険です」
--電動化や自動運転など新技術が登場し、産業の転換期を迎えています
「30~50年後の将来に自動車が電動や自動運転になるのはほぼ間違いないと思いますが、その道のりをどうたどるかが問題です。ポルシェには最後までスポーツ車を運転する醍醐(だいご)味が求められるので、運転を外すことはありません。だが、駆動装置がガソリンエンジンのままかというと疑問です」
--セダン「パナメーラ」に新型のプラグインハイブリッド車(PHV)を今年投入しました
「(電動化は)走行性能を向上するのが目的です。ガソリンで走る時間を減らして燃費を改善するよりも、(電動モーターは)エンジンを強化する第2のターボだと考えています」
--日本市場は米フォードが撤退するなど世界での存在感が薄れています
「中国のように急速に人口が増える都市に拠点を置けば量販車の販売台数は増えます。だが、フォルクスワーゲン(VW)グループの中で、ポルシェの使命は富裕層に効率良くアピールすることです。日本の富裕層市場は首位の米国に次ぐ規模があり、依然として中国を上回っています。ポルシェの世界販売の中でも今年1~3月期は5位に入っているので、使命は全うしていると思います」(産経新聞経済本部 会田聡)