
開店前の店内で、商品を陳列するスギ薬局のシニアアソシエイツ(同社提供)【拡大】
プロジェクトを担当する事業推進室の葛西一希さんは「開店前の最も忙しい時間帯にもかかわらず、しっかりと仕事をしてくれるので大変助かっている」と話す。
同社では三河地域の後も、関西、関東でプロジェクトを展開し、2019年度には全店舗の半数強にあたる、500店で高齢者を雇用する計画だ。
高齢者を積極的に採用している企業は多く、なかには従業員の半数以上が60歳以上という会社もある。きのこ製造販売のハラキン(茨城県鹿嶋市)は「90歳まで現役で働ける企業を目指す」を企業理念に、高齢者の新規雇用を積極的に進めている。短時間勤務制度の導入や希望した出勤日数で勤務できるようにすることで、高齢者が無理なく働ける環境を整えた。従業員129人のうち、約6割にあたる75人が60歳以上だ。
商工中金が今年1月に実施した中小企業の働き方に関する調査によると、高齢者の活用に関する取り組みや制度がある企業は全体の61.6%に達する。現在、65歳からとされている国民年金の支給開始年齢が将来、70歳に引き上げられる可能性もある。
その一方でサービス業を中心に人手不足も深刻化しており、高齢者を戦力として活用する動きはさらに広がりそうだ。