
東芝本社が入るビル=東京都港区【拡大】
独禁法の壁
東芝メモリが手掛けるフラッシュメモリーは、東芝の技術者だった東北大の舛岡富士雄名誉教授(74)が開発した。当時社内で評価されず、韓国サムスン電子に技術供与して日の目を見た経緯がある。
英IHSマークイットによると、昨年のフラッシュメモリーの市場規模は約4兆円。サムスンが35%超のシェアを押さえ首位を独走中で、東芝は2位に付けるものの20%弱と引き離されている。開発した舛岡氏も「いまさら技術流出を問題にすること自体ナンセンスだ」と話す。
東芝は最大のヤマを越えたとはいえ独禁法の壁が立ちはだかる。特に中国は国策としてフラッシュメモリー開発を強化しており、この分野に詳しい弁護士は「恣意(しい)的な審査が行われ長期化する恐れがある」と指摘する。
買収参画がかなわなかったSKも不気味だ。東芝社内では「韓国での審査に横やりを入れてくるのではないか」と警戒感が広がる。期限内に売却は間に合うか。東芝の黄信号はついたままだ。