さらには、研究開発部が参加する大企業も現れるようになった。研究開発部がオープンイノベーションに取り組むのは、自身の役割の自己否定ともいえるが、内向きだった大企業も外向きになってきたのか、あるいは必然がこのような結果をもたらしているのかもしれない。
大企業の中には、今回のイベントに50人体制で参加するところもあり、技術シーズの探索に対する真剣さを感じる。
それでは、大手企業がオープンイノベーションを成功させるためのポイントは何だろうか。ILSを主催し、経済産業省から起業家輩出支援事業「ドリームゲート」を受託し事業責任者として運営する松谷卓也氏によれば、4つあるという。
まず、優れたベンチャー企業は、既に強い交渉力を持っていることが多いので、大企業側から積極的に探索し、積極的にアプローチすること。日本の大企業はプライドが高く、それが難しいという。次に、トップの力量にもよるが、トップが率先してベンチャー企業と協業するケースより、事業部担当の役員が権限と責任をもってリードしているケースの方がうまくいく確率が高い。
3つ目は、本業のビジネスとのカニバリズム(共食い)を恐れないこと。リクルートが求人情報サイト「リクナビ」のライバルである「インディード」を1500億円で買収し、その後、インディードの時価総額は1兆円となった。カニバリズムは、裏返せばマーケットの寡占へのステップである。