シャープのライバルは“シャープ” 米市場で強敵自社ブランド「アクオス」に挑む (3/3ページ)

平成30年度末の液晶テレビ世界販売1千万台に自信を示すシャープの戴正呉社長(南雲都撮影)
平成30年度末の液晶テレビ世界販売1千万台に自信を示すシャープの戴正呉社長(南雲都撮影)【拡大】

 高級路線で差別化

 ハイセンス製アクオスの品質を問題視するシャープ。来年以降に米国で発売する新ブランドはアクオスよりも高級な商品と位置付け、超高精細な8Kなど映像の美しさや音質を強化した品ぞろえにする計画だ。

 シャープと鴻海は米国で大型液晶パネル、テレビの一貫生産工場の新設を検討中で、現地生産・供給体制を整える戦略を描く。米国で販売される薄型テレビの大半は輸入品が占める。現地での液晶パネルからテレビの組み立てまでの一貫生産が実現すれば出荷までの時間短縮や、顧客の要求にきめ細かく対応することなどが可能になる。

 ただ、米国市場はアクオスだけでなく、韓国のサムスン電子やLG電子など、強力なライバルが待ち受ける激戦地だ。低価格で攻勢をかける中国メーカーなども存在感を高めている。新ブランドの市場への浸透には時間がかかるとみられ、苦戦を強いられる可能性もある。

 シャープの再建には海外展開の強化を通じた液晶テレビ事業の復活が欠かせない。“アクオス超え”は新生シャープへの脱皮に向けた一里塚となる。

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