消費者金融にはかつての過剰融資問題で、年収の3分の1超を貸せなくなる「総量規制」が導入された。だが銀行は規制の対象外で、多重債務者の増加を危ぶむ声も強まっている。
これまで金融庁は銀行の自主性を重んじ、調査は聞き取りにとどめてきた。だが事態に改善がみられず、9月に立ち入り検査に切り替えることを表明。「金融レポート」でも問題点を指摘し、だめ押しする。
金融庁が問題視するのは、一部の地銀などが、債務を保証する消費者金融に融資審査を含めた貸し付けリスクを丸投げしていることだ。ある幹部は、「ノーリスクで利ざやが抜けるからといって、いくらでも貸すのは金融機関といえるのか」と手厳しい。
銀行に求められるのは顧客の収入状況や利用目的を把握し、適正に審査して融資する「金融機関の原点」(別の金融庁幹部)に立ち返ることだ。それができないとなれば、銀行カードローンへの総量規制の導入も現実味を帯びてくる。(中村智隆)