EVに残されている「三重苦」 なぜトヨタは本格参入を決断できたのか (3/4ページ)

プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」のカットモデル
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 また、カーディーラーや高速道路のサービスエリアには大電力の直流充電器が設置されている。この場合、一般的には30分間で満充電の8割充電がめどになっている。リチウムイオン二次電池の特性上、満充電の8割程度までは一気に充電可能だが、残りの2割の充電には時間がかかる。また、急速充電は電池の劣化を早めると言われており、日産自動車はリーフを発売した当時から、自宅や会社などの交流充電を計画的に行い、急速充電は“バックアップ”という考えを顧客に伝えてきた。

 さらに急速充電器ができる場所は限られている。カーディーラーや高速道路のサービスエリア、行政機関など中心に設置が進んでいるが、1カ所に複数台が完備されているケースは少ない。例えば自分の前に2台充電を待っていれば、自分が充電し終わるまでには30分×3=1時間半待ちとなってしまう。ガソリンスタンドで給油するのに比べ、時間がかかりすぎる。

 トヨタがEV参入を決めたワケ

 では、どうしてトヨタはマツダと連携して、本格的にEVに参入することを決めたのか。

 一つは、EV三重苦の解決策が徐々に見えてきたからだ。航続距離の長い高性能バッテリーを、比較的安いコストで調達できる可能性が高まっている。現在、EV用のバッテリーは、各種のリチウムイオン電池を使っているが、中国の電池メーカーが近年、大量生産による急激なコスト削減を実現し、その影響で世界各地のEV用バッテリーのコストが下がってきたのだ。

 さらに、トヨタが開発を進める「全固体電池」の量産化にもめどが立ってきたようだ。全固体電池は内部の構成部品が液体ではなく固体でできた電池で、電池容量や充電時間が飛躍的に向上するといわれている。全固体電池の導入時期について、一部で「トヨタが2022年をめどに導入する」という報道があったが、トヨタの内山田竹志会長は8月4日午前中に千葉県幕張メッセで行ったプリウス20周年記念の記者会見後の囲み取材で「全固体電池の量産化は2022年より後になる」と話し、報道を否定した。どちらにしても、トヨタは今後、高性能で比較的コストが安いバッテリーを手に入れるめどが立っており、それによって充電インフラを効率的に活用できると考えたのだろう。

 こうしたEVに関する技術革新に加え、トヨタがEVへの本格参入を決めた最大の理由は他にある。

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