日本のゲーム会社がベトナムでRPGを開発して直面した課題と解決法とは (3/3ページ)

左からGIANTYコンテンツ事業部ディレクターの三原龍磨氏、開発部ディレクターのグエンアンバング氏、コンテンツ事業部プランナーの中村蒼氏
左からGIANTYコンテンツ事業部ディレクターの三原龍磨氏、開発部ディレクターのグエンアンバング氏、コンテンツ事業部プランナーの中村蒼氏【拡大】

  • 日本側で中村蒼氏、ベトナム側でグエンアンバング氏が開発にあたって行ったやりとりを再現
  • ベトナムチーム運用にかかるコストは日本の2分の1から3分の1という

 ここで大切なのは、「“発注者-受注者”という関係から一歩踏み出して、ベトナムのクリエーターが自ら考えて行動できる環境を作ることだ」と、GIANTYでコンテンツ事業部ディレクターを務める三原龍磨氏は指摘する。「はじめはこちらも相手を信用せず、出来ないだろうと思っていたし、向こうもそんな考えだったらやらないといった感じだった」と三原氏。そこを改め“謙虚・尊敬・信頼”の3つを大切にすることで、相手も本来持っている高い能力を発揮できるようになった。

 三原氏によれば、当初は日本で仕様書を作って、ゲームが進行するきっかけの設定も日本で行っていた。途中から「これをやりたいですとだけ伝えてみて、一度試させてみるようにした。はじめはミスも多かったが、何度もクラッシュ&ビルドでやっていくうちに出来るようになった」。自分たちが考えて作り上げたものには、ダメを出されても不満を言わず、どこが悪かったかを聞いて取り入れ、改善するようになっていった。

 「自ら考え,行動出来る環境を与えるとチームが変わった。自分からこうしたい、やらせてくれといった意見が出るようになっていった」と三原氏。ゲームに限らず日本が世界の優れた人材を活用しながらプロジェクトを進める上で大切なことが、GIANTYによるベトナムとのゲーム開発には詰まっていると言えそうだ。