キュア・アップ、ニコチン依存症の治療 国内初、アプリの治験開始

禁煙外来による治療上の課題を解決するキュア・アップの禁煙アプリ(同社提供)
禁煙外来による治療上の課題を解決するキュア・アップの禁煙アプリ(同社提供)【拡大】

 治療用アプリ開発のキュア・アップ(東京都中央区)は、ニコチン依存症の治療アプリ「CureApp 禁煙」を開発した。今月中にも臨床試験(治験)を始め、早ければ2、3年後の実用化を目指す。国内での治療用アプリによる治験はこれが初めてとなる。

 開発した治療用アプリはスマートフォンを通じて、自宅で禁煙に取り組む人に、医学データに基づいた認知行動療法を処方する。

 具体的には、患者がスマホの専用アプリを起動して、禁煙できたかといった情報を入力する。禁煙外来での治療に関する膨大なデータから人工知能(AI)を活用し、個別の患者にあった生活面でのアドバイスをする。治験は慶応大学病院やさいたま市立病院など20~30の医療機関で実施する。

 従来の禁煙外来では通院の間隔が2週間~1カ月おきと開いており、その間の医療側による治療の関与がないことで、ニコチン依存症の治療効果があがらないといった課題があった。禁煙外来に1年以上通う患者の7割以上が再び喫煙するという。

 キュア・アップは、臨床業務の経験がある佐竹晃太社長と鈴木晋取締役が共同で2014年7月に設立。ビヨンド・ネクスト・ベンチャーズや慶応イノベーション・イニシアティブ、SBIインベストメントといったベンチャーキャピタル(VC)が出資している。