JR3社が海底地震計データを活用 30秒早く新幹線緊急停止

 南海トラフなど海の巨大地震の際にも速やかに新幹線を緊急停止させようと、本州のJR3社と防災科学技術研究所(茨城県)は30日、太平洋海底の地震計で捉えた地震データを鉄道の安全運行のために配信する協定を結んだ。11月1日からJR東日本の東北、上越新幹線の一部区間で活用される。新幹線の緊急停止信号が10~30秒早くなるという。

 先行するのは東北が東京駅から福島県内の間、上越が東京-熊谷周辺の予定。ほかの区間や東海道、山陽新幹線は順次、活用される。

 JR東日本、東海、西日本の3社は沿線や海岸沿いの陸上に地震計を設置し、揺れを感知して緊急停止させる仕組みを既に備えている。

 だが、平成23年の東日本大震災や発生が心配されている南海トラフ巨大地震のような、陸から離れた沖合で起きる地震に対しては、陸上の観測だけでは揺れの把握に時間がかかっていた。