日産とスバル、無資格検査なぜ起こった? 「検査員」認定基準は各社で違い (1/2ページ)

スバルの製造ライン(同社提供)
スバルの製造ライン(同社提供)【拡大】

 日産自動車に続き、スバルでも新車の「完成検査」を無資格者が実施していた。この問題についてQ&A形式でまとめた。

 Q 完成検査とは何か

 A 新車製造の最終工程で、計測器械を使ってブレーキの制動力、ライトの明るさや角度、排ガスの濃度などを調べる。主に、国の「保安基準」に適合しているかと、その車種の「型式」としての構造、装置、性能を有するかを主眼に置く。保安基準は共通だが、型式の検査手法は、申請の際、国土交通省に「こういう方法で確認します」と“約束”して認められたもので、各社で異なる。

 Q 無資格検査は法令違反なのか

 A 完成検査員については、自動車型式指定規則の実施要領(国交省の通達)に「当該検査に必要な知識及び技能を有する者のうちからあらかじめ指名された者」と記されており、これに反している。資格は国家資格ではなく、認定基準は各社によって違う。

 Q 車両の安全性に問題はあるのか

 A 日産の西川(さいかわ)広人社長は「検査自体は行われており、安心・安全にお乗りいただける」と強調。スバルも無資格検査について、「業務に必要な知識と技能を100%身につけたと現場管理者に認定された者」(吉永泰之社長)が実施していたと説明している。現時点で事故の発生などは確認されていない。

日産とスバル、問題を起こした背景は異なる