
東芝本社が入るビル=東京都港区【拡大】
かつて総会屋事件で利益供与していた総務担当の役員たちも、本当には反省していなかった。会社のためには「汚れ役」が必要で、それをこなしているだけ。自分の利益のためにやっているわけではない、と思っていた。経営トップもそれが分かっていて、仮に逮捕されても、ほとぼりが冷めると子会社の顧問などにして生活の面倒をみていたものだ。建設業界の談合もまったく同じ構図だった。
総会屋対策では、利益供与した会社側役員にも厳罰を加える法改正が実施された。さらに総会屋の罰則も強化されたため、割に合わない犯罪になって、今はほとんど下火になった。
では、どうすれば企業の不正は根絶できるのか。一つは、不正が発覚したら厳罰に処することだ。不正が明らかになれば、厳しい罰が待っているとなれば、誰も不正は働かない。
もう一つは会社のトップが「不正は絶対に働くな」と明言することだ。その上で、不正が発覚した場合、「不正に手を染めた社員は守らない」とはっきり言うことである。守らないどころか、会社が不正を働いた役員や社員を告発したり、損害賠償を求めたりするとまで言えば、社員はだれも不正に手を染めなくなる。