
東京モーターショーに出展した日産自動車とスバルのブース。無資格検査問題は大規模リコールや出荷停止など、多方面に大きな影響を与えた=10月27日、東京都江東区【拡大】
この販売店は交通量の多い道路に面した好立地。小型車「ノート」やミニバン「セレナ」など人気車を展示し、9月まで好調なセールスが続いていた。日産全体でみても状況は同じ。エンジンで発電し、モーターを動かして走る「e-パワー」や、車庫入れ・縦列駐車を補助する機能などへの評判も上々だ。
それだけに出荷停止のショックは大きい。10月の登録車の販売台数は前年同月比で52.8%減という壊滅的な状態。納車遅れによるキャンセルも「数百台の単位」(星野朝子専務執行役員)で発生したという。
一方、この販売店では問題に関連したキャンセルは1件もなく、出荷が停止している間の受注減も、1割程度に抑えることができた。電話だけでなく、成約後に出荷停止となり、納車が遅れる顧客の自宅を訪れて頭を下げるなど、懸命の努力の結果だ。
この販売店の40代の男性マネジャーは日産のモノづくりや商品力を信頼してきた。それだけに生産現場でのルール違反には複雑な心境だ。「もったいないし、残念。早くウミを出して、立ち直ってほしい」
法令守る態勢づくり
「現場のコントロールが課題だ」。日産の西川(さいかわ)広人社長は今回の問題の要因についてこう話した。