モンベルはほかにも、全国の国立公園を管理する環境省の自然保護官のユニホームなどを手がけており、一般向けには林業や農業従事者をターゲットにした商品も展開。現在は漁業従事者向けの製品も開発中だ。
開発前に動作解析
さまざまな環境に耐え得る高機能ウエアの技術を武器に、企業にユニホームを供給しているのはモンベルに限った話ではない。
五輪選手ら有力アスリートのユニホームを多く手がけるミズノ(本社・大阪市)は9年、企業向けの特注品を手がける部署を新設した。これまでに建設や製造、運輸業を中心に中電工やサカイ引越センターなど500社にユニホームを納入し、昨年度の売り上げは約20億円に上った。今年10月からは十着単位からでも受注に応じる新たなオーダーシステムの運用も始めている。
開発にはスポーツメーカーならではの工夫がある。佐川急便の配送担当のユニホームを作る際には、実際に作業員に荷物を運ぶ動作をしてもらいながら関節や筋肉の動きを解析。動きやすさや快適性を追求したものに仕上げた。
デサント(本社・大阪市)も今年4月に企業向けアパレルを手がける部署を立ち上げ、すでに複数社の受注を獲得。今後、さらなる事業の拡大を目指している。
価格より付加価値重視
矢野経済研究所が昨年まとめた企業向けユニホームの市場調査によると、平成27年度の国内のユニホームの市場規模(メーカーの出荷金額ベース)は5026億円。分野別では現場での作業用ユニホームが全体の52・3%を占め、2600億円を超え、今後も増加する見込みだ。