【高論卓説】「ネットで全文公開」に注目 出版界の新潮流 「紙」販売にも効果 (2/3ページ)

 そしてそのムーブメントは、ビジネス書にも及んだ。貧富の格差がそのまま健康の格差につながることを特集したNHKスペシャルを新書化した新書『健康格差』(講談社)が発売されたのは今月15日。その新書の内容が同27日(第1章)から12月2日(第6章)まで、6つのビジネス系メディア(日経ビジネスオンライン、ダイヤモンド・オンライン、プレジデントオンライン、東洋経済オンライン、ビジネス・インサイダー、ハフポスト)で順次、全文公開をしていくのだ。発売前に「はじめに」を公開した現代ビジネスも含め、7媒体横断のプロジェクトとなる。

 執筆を担当したNHK放送総局大型企画開発センターディレクターの神原一光さんは「健康格差について、これまで研究してこられた教授や専門家、現場の方たちの功績を、今の時代らしい形で世にもっと知ってもらいたい」と思い、このプロジェクトを思いついたという。実現に向け、担当編集者と調整する中で、一つのメディアで公開するのではなく複数のメディアで公開してはという案にたどり着く。

 「健康格差という問題をウェブメディアのみなさんと垣根を越えて共有し、結果としてインパクトが出せれば、ウェブメディア全体の価値も一層高まる機会になるのかもしれないと思った」と神原さんは熱い思いを語る。

「断る理由はない。よしやろう、ということになった」