近年、美容室に所属せず、腕一本で顧客から直接依頼を受ける、「フリーランス美容師」が増えている。
▽美容室の新潮流
美容師の一般的なキャリアは、「美容室に入って数年間、修業したあと自分のお店をもつ」というものだろう。しかし、今やコンビニエンスストアを上回る数の美容室が乱立するなか、新たに店舗をもつというリスクを避け、技術だけで勝負するフリーランスという道を選ぶ美容師が少なくないのだ。
ただし従来は、「自分のお店」をもたないフリーランス美容師の多くは、既存の美容室の一角を借りて施術を行うしかなかった。そんな状況に一石を投じるのが、今年11月、東京・原宿にオープンした、フリーランス美容師のための個室型シェアサロン「GO TODAY SHAiRE SALON」。個室に仕切られた施術スペースを使って、フリーランス美容師が「自分のお店」のような感覚で施術できる施設だ。
GO TODAY SHAiRE SALON代表取締役社長の大庭邦彦さんらは、フリーランス美容師の今後の可能性の大きさに着目している。
「間に美容室が介在していても、お客様の多くが実質的にもつのは『この美容師さんにお願いしたい』という個人への期待です。実は、個人と個人がつながる『フリーランス』こそ、美容師の自然なあり方はではないでしょうか。そんな本来のかたちに向かいつつあるフリーランス美容師の活躍を後押ししたいと思い、都心の一等地でお客様に上質な空間を提供できる『GO TODAY』を立ち上げました」(大庭さん)