【Sakeから観光立国】「JFOODOイベント」日本食品を海外へ発信

JFOODOの幹部とネットワーキングイベントの来賓=1日、東京・六本木
JFOODOの幹部とネットワーキングイベントの来賓=1日、東京・六本木【拡大】

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 今年4月に設立された「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」主催のネットワーキングイベント「Enter the Market」が1日、東京・六本木のリッツカールトン東京で開かれ、筆者も招待された。

 JFOODO(ジェイフードー)の名称は「武士道」「剣道」「茶道」など、海外でも日本をイメージさせるさまざまな「道」を連想させ、「食の道」を世界に発信するとともに日本の文化(風土)をアピールする姿勢を表現したのだという。

 事業内容は、海外における日本産農林水産物・食品のブランド構築のためのプロモーション戦略の策定・実施。組織のトップであるセンター長には、伊藤忠商事会長で日本貿易会会長を務める小林栄三氏、初代事務局長には、味の素、ジョンソン、LIXILの各社で国内外マーケティングの要職を歴任した大泉裕樹氏という民間の実力派が就任した。

 今回のネットワーキングイベントで、大泉事務局長から説明のあったJFOODOの戦略は、調査に基づいて対象とする日本産食品と海外市場について、官庁主導では困難な「選択と集中」の絞り込みを徹底していく点だ。日本産食材として潜在需要がありながら食べ方や価値が知られていない品目と地域を絞り込む。

 具体的には、牛肉、米粉、緑茶、日本酒、日本ワイン、クラフトビール、ハマチなど水産物の7品目。一定の生産量が確保され、販売促進方法を改善すれば伸びしろがある品目で、海外消費者への聞き取り調査を基に、有望な売り先を選んだ。

 筆者は、25年以上前に日本国内でワインを学んだ際に、フランスの食品振興会Sopexa主催のさまざまなイベントで多くを学ぶことができ、また問い合わせ先として大きな役割を果たしていたことを思い出した。

 日本の国にやっと出来上がった食のプロモーション組織への各方面からの期待は大きい。今回のネットワーキングイベントの大盛況ぶりがそれを物語っていた。

                  ◇

【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本ソムリエ協会理事、日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)などを務める。