【フロントランナー 地域金融】昭和信用金庫本店の石橋究一店長代理(1)


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 ■個人・法人両方のニーズに柔軟対応

 「商品案内や融資提案は、あくまでもお客さまのニーズを知るきっかけの一つと捉え、会話の中で今本当に悩んでいることや課題などをお聞きすることを心掛けています。例えば、法人先を訪問するケースでも、経営者個人が自宅の購入を考えている場合もあります。そうしたニーズに応えていくために、個人・法人どちらのニーズにも柔軟に対応できる提案活動を重視しています」

 こう話すのは昭和信用金庫本店の石橋究一店長代理だ。

 石橋さんは入庫後、8年ほど個人取引をメインとした営業活動に従事。3店舗目の京橋支店では個人先の営業係を担当していたが、営業エリアに事業所が多いことから、事業者から融資の相談を受けることもあった。個人取引先の営業中に融資ニーズをつかんで融資係にトスアップし、取引につながるケースも少なくなかったという。その後は上北沢支店で融資係や融資審査部を担当。個人営業と融資営業の双方を経験する中で、個人・法人の枠にとらわれない営業スタイルを確立していった。

 昭和信用金庫本店が立地するのは東京都世田谷区の下北沢。小劇場やライブハウスなどが集まる文化の街として知られる一方で、6つの商店街もある。法人は飲食店や美容室などの小規模事業者が多く、個人取引はあるが融資取引がない取引先も少なくない。新規開拓とともにこうした先へのアプローチも課題となっている。

 石橋さんがアプローチの切り口の一つとしているのが、「世田谷区商店街(振興組合)連合会加盟店専用ローン」の提案だ。世田谷区商店街振興組合連合会または商店会連合会の加盟店か、営業所もしくは居所を昭和信用金庫の営業エリア内に1年以上置いている先のいずれかであれば、個人事業主・法人を問わず利用できる。

 早ければ相談から1週間以内に融資を実行できるというスピード対応と、地域のお客さまだからこそ利用できるというメリットをアピールすることで、興味を持ってもらえることも多いという。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp