【現場の風】損害保険ジャパン日本興亜 ドローン映像、活用の幅広げたい


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 □損害保険ジャパン日本興亜損害調査企画室技術部長・高橋良仁さん(57)

 --損保業界でドローンの活用が広がっているが、導入は損保ジャパン日本興亜が早かった

 「2015年3月に自動車事故の現地調査で使ったのが最初。通常はメジャーなどを使って道幅を調べたりするが、ドローンを使い撮影した映像を活用することで、事故の状況を3次元で再現することが可能となった。事故の状況を正確に把握するためのツールとして非常に役立っており、これまで130以上の現場に出動している」

 --なぜ、ドローンを使おうと思ったのか

 「事故調査を専門に行う部署が長く、以前から上空から現場を確認できるものがあればいいなと思っていた。もともとラジコンが趣味で、飛行機やヘリコプターも持っていたので、ドローンが出てきたときに、これなら調査に使えると思った」

 --最近は災害現場の調査にも使っている

 「16年の熊本地震では、熊本県の依頼を受けて行方不明者の捜索で出動した。このときは谷底にヘリコプターで重機を降ろす必要があったが、平らな地形を探すのにドローンの映像が役立った。17年の九州北部豪雨でも現地調査で活用し、迅速な保険の支払いに役立てることができた」

 --今後も活用の幅は広がっていくと思うが、仮に東日本大震災でドローンがあれば、どんなことができたか

 「まず、保険金を支払うには現地の確認が不可欠だが、ドローンがあれば立ち入り禁止区域の確認なども迅速にできただろう。避難誘導も消防団などが放送車に乗って命懸けでやっていたが、ドローンにスピーカーを付けて飛ばすことも可能だ。当時の映像を見ると、津波に向かって逃げている人もいたが、ああいう人たちの命も救えたのかもしれない。今後も保険という枠組みにとらわれず、活用の幅を広げていきたい」

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【プロフィル】高橋良仁

 たかはし・よしひと 高山自動車短期大卒。1986年興亜火災損害調査(現・損害保険ジャパン日本興亜)入社。一貫して自動車事故などの損害調査業務に携わっており、2013年4月から現職。新潟県出身。