ユニクロで「アルバイト」したジャーナリストが見た、現場の実態とは (2/2ページ)

「ユニクロ潜入一年」(文藝春秋、税別1500円)
「ユニクロ潜入一年」(文藝春秋、税別1500円)【拡大】

 働く中で横田氏は、値上げの影響で秋の「感謝祭」が不振に終わった際、実際は多額の内部留保があるにもかかわらず、上層部が「このままでは会社が倒産する。人件費を削りたい」と述べてシフトを削減する場面や、膨大なノルマを課された現場の士気が下がる場面などを目の当たりにする。日本語の不自由な外国人スタッフと日本人スタッフの間で意思疎通が図れず、トラブルが起きることも頻繁にあったという。サービス残業をする社員も依然として存在していたと報告している。

 厳格な守秘義務契約があり、現役社員や元社員に取材を試みても、「機密情報を漏えいすると、損害賠償を請求される」として話さない人が多かったという。取材に応じた一部の学生アルバイトからは、「『バイトを辞めたい』と伝えると、店長から『大学生はいったんユニクロに入ったら、卒業するまで働くことになっている。途中で辞めるのは契約違反だ』と叱られ、今も勤務を続けている」などの証言が得られたとしている。

 横田氏は1年間の体験を踏まえ、柳井社長に「すぐにでも、身分を隠しユニクロの店舗や海外の下請け工場などでアルバイトとして働くことをお勧めする。それこそが、ユニクロにとっての“働き方改革”の第一歩となるかもしれない」と提言している。米国の「GAP」やスペインの「ZARA」としのぎを削るSPA(製造小売り)ブランドになったユニクロだが、その成長の裏にある課題を知りたい人に参考になる。