【木下隆之のクルマ三昧】クルマの死角はゼロになる? デジタルミラー時代の先陣切るレクサス (3/4ページ)

 初めてそれを体験する人のほとんどが、ミラーの角度を調整しようとし、顔を赤らめる。デジタルミラーを動かしても映像が変わることがないにもかかわらず、習慣的にミラー調整しようとするのだ。

 映像はレンズ次第だから、鏡では写しきれない死角を減らすこともできる。トランクの下方空間だったり、Cピラーが邪魔をする後方横方向すらも見渡せる。普及したバックモニターのように、広範なモニター監視も可能なのだ。

 レース界ではすでに導入

 スマホのカメラが実際よりも明るく写ることでも実感するように、夜間でも明るく捉えることができるのもメリットだろう。

 鏡でなくモニターだから、それはどこにあってもいい。メーター内に組み込むことも可能だ。視線の移動が少なくなることで、安全性も高まるに違いない。

 実は僕は数年前から、レースでこのシステムを使っている。レーシングマシンはロールケージと呼ばれるパイプが車内に張り巡らされている上に、リアには巨大なウイングがあり、鏡による後方視界は劣悪なのである。それを補うのがデジタルミラーだ。レース界ではもはや常識になりつつあるのだ。

ドイツ・ニュルブルクリンクのレースでデジタルミラーを使用する木下氏

ドイツ・ニュルブルクリンクのレースでデジタルミラーを使用する木下氏

デジタルなりのデメリットもある