損保業界、「自動車」縮小で新たな収益源 中小企業支援を活発化

 損保業界では中小企業を支援する動きが活発化している。車離れや少子高齢化で、主力の自動車保険市場は縮小が予想される中、新たな収益源として期待されているためだ。各社は新たな保険商品やサービスを打ち出すが、技術の進展や人手不足、後継者難など経営者の悩みは多様で、真に求められるサービスが提供できるかが成否の分かれ目となりそうだ。

 景気回復が続くが、苦境に立たされる中小企業はまだ多い。特に深刻さを増すのが人手不足で、あいおいニッセイ同和損害保険は人材派遣会社「グリットグループホールディングス」と連携を検討。地方で働きたい人材と、あいおいニッセイ同和の顧客企業をインターンシップなどを活用してマッチングさせる事業を4月から始める予定だ。

 東京海上日動火災保険は訪日外国人観光客を取り込みたい企業の支援に力を入れる。同社の「ビジネス総合保険」に加入すれば、ホームページの多言語化などのアドバイスが無料で受けられるほか、10カ国語に対応した電話による通訳サービスも実施している。

 損害保険ジャパン日本興亜は2016年10月に中小企業向けの安価なサイバー保険を発売。また、三井住友海上火災保険も経営者の相談に対応する「経営サポートセンター」を社内に設置する。