
日本郵政・長門正貢社長(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
--仮想通貨などによる電子決済が注目を集めている
「中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループによる決済サービス『アリペイ』が攻めてきている。みずほフィナンシャルグループが仮想通貨をやろうとしているが、日本の問題はメガバンクが絡むと、三菱UFJ、三井住友、みずほ系と必ず3つの系統ができることだ。僕たちはオールジャパンになるなら乗るが、どこかの軍勢とだけ組むことはあり得ない」
--豪物流子会社トール・ホールディングスの買収では、約4千億円の減損損失を計上したが、次にM&A(企業の合併・買収)を行う考えは
「郵便局ネットワークを有効に生かせる業種や業態の会社に関心を持っており、もうかればいいということではない。大技を期待しているかもしれないが、今はない」
--タイミングではないということか
「言葉は悪いが、M&Aをやれるときは、相手がちょっと問題含みで価格がリーズナブルなとき。垂(すい)涎(ぜん)の的の企業をどうしてもといって買うなら、とんでもない金を積まないといけない。今は難しい環境だ」
--グループの一体感を高める考えがあるとか
「1つだった会社が分割され、採用もそれぞれで人事交流も少ない。『チームJP』というキャッチコピーをつくり、いろいろな局面で使っていくことを決めた。CMでも共通の音楽を流すようにする」