ステーキで“ちょい飲み”対抗 ラーメン「幸楽苑」が他社FC展開の奇策 (1/3ページ)

開店を記念して店舗前でポーズをとる関係者。ペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長(左から3人目)と幸楽苑HDの新井田傳社長(同4人目)=2017年12月、いきなりステーキ福島太平寺店
開店を記念して店舗前でポーズをとる関係者。ペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長(左から3人目)と幸楽苑HDの新井田傳社長(同4人目)=2017年12月、いきなりステーキ福島太平寺店【拡大】

 大手ラーメンチェーン「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングス(HD)が「背水の陣」を敷いた。業績好調のペッパーフードサービス(PFS)と組み、人気上昇中で業態が異なるステーキチェーン「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ(FC)展開を開始。幸楽苑はライバルの「日高屋」を運営するハイデイ日高に“ちょい飲み需要”の対応などで後れを取り、2017年9月中間連結決算では株式公開以来20年間で初めて営業赤字に転落するなど苦境にあえぐ。外食大手が他社ののれんを借りる“奇策”は、起死回生の一手となるのか注目を集めている。

 経営文化を吸収

 「これまでムダが多かった。勢いがある『いきなり!ステーキ』の経営文化を吸収したい」

 昨年10月27日、幸楽苑HDの新井田傳(にいだ・つたえ)社長がPFSとのFC契約発表会見で述べたコメントが、同社の現状を余さず物語っている。

 同社は、福島県会津若松市で1954年に創業した「味よし食堂」が出発点。東日本中心の店舗展開から全国へ広げ、約550店舗を運営する大手に成長したが、一方で、エリアによっては自社の店舗同士が競合する状況も起きていた。

 外食業界では2014年ごろから、食事だけでなく、お酒を軽く飲みたい客の取り込みを狙う“ちょい飲みシフト”が目立ち始め、牛丼チェーン「吉野家」の「吉呑(の)み」や、すかいらーくグループの「バーミヤン」によるボトルキープサービスなどが注目を集めた。

異物混入で深刻な客離れ