ヤマト、18年3月期利益予想上方修正 アマゾンと値上げ合意効果

東京・銀座にあるヤマト運輸の集配拠点
東京・銀座にあるヤマト運輸の集配拠点【拡大】

 宅配便最大手のヤマトホールディングスは30日、人件費増加を理由とした運賃値上げでインターネット通販大手のアマゾンジャパンと合意し、1月から荷物の配送単価を引き上げたと明らかにした。アマゾンを含む値上げの効果などにより、2018年3月期の連結最終利益の予想を従来の120億円から145億円に上方修正した。

 ヤマトによると、大口の法人顧客約1100社との値上げ交渉をほぼ終え、約4割は他社に移る意向を示した。記者会見した芝崎健一専務執行役員は、流出数は予想より少なかったと説明し「理解いただき感謝している」と語った。大口法人向けの値上げ幅は個人向けの15%より高いとし、明示はしなかった。

 ヤマトは18年3月期の連結売上高見通しも1兆5020億円から1兆5300億円に引き上げた。

 同時に発表した17年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比4.8%増の1兆1717億円、最終利益が51.2%減の174億円だった。未払い残業代の費用や外部委託費がかさんで赤字に転落した9月中間決算からは大きく改善した。

 ヤマトは17年10月に個人向け基本運賃を値上げし、法人との値上げ交渉も進めていた。